22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語
映画dvdのレビューです。映画が好きで主に映画館で日本映画、韓国映画、洋画などを鑑賞しています。そんな私が観た映画dvdのレビューです。
映画「22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語」は、「なごり雪」に続く大林宣彦・大分三部作の第二弾です。大分県出身の伊勢正三の名曲「22才の別れ」をモチーフに描く、母娘二代にわたる切ない日本の恋の物語です。
川野俊郎(筧利夫)は福岡市の商社に勤める1960年代生まれの44歳です。
仕事は順調で、上海支社への転属の話もあり、エリートコースを進んでいます。
社内には煮え切らない関係を続ける37歳の有美(清水美砂)がいますが、お互いに一歩を踏み出す勇気はありません。
俊郎はある日、ずぶ濡れで駆け込んだコンビニのレジで「22才の別れ」を口ずさむ少女、花鈴(鈴木聖奈)に出逢います。
ふとしたことから親しくなった俊郎は、コンビニを辞めた花鈴にいきなり「援交して」と言われ戸惑いますが、なにか不思議な縁を感じ、放っておくことができず家に招き入れます。
しかし花鈴の身上を聞いた俊郎は信じられない事実に衝撃を受けます。
それは、かつて22才の誕生日に別れた恋人、葉子(中村美玲)にまつわることでした…。
過去に起きた「22才の別れ」を軸に、かつて22才だった男と現在22才である女の人生を交差させたドラマです。
時代を隔てた親と子を新人・鈴木聖奈と中村美玲が瑞々しく演じています。
また主人公の筧利夫をはじめ、清水美砂、長門裕之らがしっかりとした演技を見せています。
さらに花鈴の恋人役の窪塚俊介、若い頃の俊郎役の寺尾由布樹といった若手ものびのびとした演技で映画に活力を与えています。
ちなみに寺尾由布樹は相撲の元関脇寺尾の息子です。
大林宣彦監督が、幻想的な映像で二つの時代を描き分け、主人公たちの心の悲哀を見事に表現しています。
Lycorisの赤、マフラーの赤、ロウソク、竹宵・・・・・・美しい画面が残像として残っています。
私は、クライマックスの焼き鳥屋の場面で泣いてしまいました。
採点
82.5点(娯楽度80点、感動度85点)
作品データ
製作 2006年 日本
監督 大林宣彦
出演 筧利夫、鈴木聖奈、中村美玲、窪塚俊介、寺尾由布樹、細山田隆人、南田洋子、三浦友和、峰岸徹、村田雄浩、長門裕之、清水美砂
鑑賞記録
2007年8月21日 テアトル梅田にて
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