春よこい
映画dvdのレビューです。映画好きの私が観た映画dvdのレビューです。
今回は現在公開中の日本映画「春よこい」のレビューです。
映画「春よこい」は、昭和晩年の佐賀県唐津市を舞台に、殺人犯として逃亡中の父の帰りを待つ母子の家族愛のドラマです。「オリヲン座からの招待状」の三枝健起監督の演出で、工藤夕貴、西島秀俊、時任三郎ら実力派俳優と「ALWAYS三丁目の夕日」の名子役、小清水一輝の共演で家族の強い絆が感動的に描かれます。
唐津市呼子町で漁業を営む尾崎修治(時任三郎)は、妻の芳枝(工藤夕貴)、息子のツヨシ(小清水一揮)、父親の一平(犬塚弘)と、貧しいながらも暖かい家庭を築いていました。しかし秋祭りの日、大切な商売道具である高速艇の漁船を借金のカタに奪われそうになり、高利貸しの野田ともみあったあげく、彼を死なせてしまい、そのまま姿を消しました。
それから4年後の秋。芳枝は、釣り船や魚市場で必死に働き、ツヨシや、介護が必要な身となった一平の暮らしを支えていました。ツヨシは、いまだに修治を強く慕い、帰りを待ち続けていますが、学校では心を閉ざしがちでした。担任の岡本洋子(吹石一恵)は心配し、兄の利夫(西島秀俊)に相談します。彼ら二人も幼い頃に両親を失っており、人一倍、親のない寂しさや辛さを知っていました。
佐賀日報呼子支局の新任支局長である利夫は、ある日、交番前で掲示板をじっと見上げているツヨシを見つけます。その掲示板には、今年もポスターの張り替え時期を迎えて掲示された指名手配犯・修治の写真がありました。
翌朝、新聞には、ツヨシの写真とともに、『父ちゃん、今年もまた会えたね』という見出しの記事が載ります。その“感動の記事”は、小さな町に大きな波紋を投げかけ、事件の噂は蒸し返され、ツヨシは小学校でいじめられ、芳枝も、魚市場から休みを出され、釣り船の客も激減します。
利夫は、自分が書いた記事によって修治を戻って来させたいという“記者魂”から記事を書きましたが、それがどれだけ芳枝親子に酷い仕打ちになったかを悟り、芳枝に頭を下げます。
利夫は、記者としてではなく、ひとりの人間として、たとえ一晩だけでも修治と母子の暖かな夜を作ってあげたいと母子のために動き出します。
記事が出て以来、修治が戻る可能性を考え、尾崎家近辺は安藤刑事(宇崎竜童)らに張り込まれていましたが、安藤刑事との心理戦を戦いながら、利夫は、修治の居場所に繋がる糸口を見いだし、彼を家族へと戻すべく、奔走します・・・。
逃亡犯の夫を、父を、信じ続ける母子の姿と、記事の波紋に悩み、母子のために奔走する新聞記者、ツヨシを心から心配する先生、修治を執拗に追いながらも、芳枝の哀しみを察する刑事など人間味あふれる人々の姿が感動的に描かれています。
修治がなぜ自首しないで逃亡し続けたかの理由が弱いように思いましたが、見ごたえのある人間ドラマです。
採点
82.5点(娯楽度80点、感動度85点)
作品データ
製作 2008年 日本
監督 三枝健起
出演 工藤夕貴、西島秀俊、時任三郎、宇崎竜童、吹石一恵、高橋ひとみ、小清水一揮、犬塚弘
鑑賞記録
2008年6月12日 なんばパークスシネマにて

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